思想・良心・取材など

 シリア・イラクの人質事件をきっかけに、戦場カメラマンの方々の活動が議論を起こしています。取材などの目的で、自ら危険な地域に行くことの評価、あるいは危険な地域に行かせないことの是非、が問題になっています。


 まっさらな私の感想からすると、分かっていて行くのだからしょうがない、軽率だったと思う部分もあります。行かなくても生活に困らない、行けば命をとられるかもしれない、自己実現なんて我慢すればそれで済む、それが大人、と思う人は少なくないかもしれません。現在の日本の最高裁判所も(建前は別として)、そのように考える傾向があると思います。


 先日、大河ドラマで、吉田松陰の姿が演じられていました。禁じられて、処罰されても処罰されても、見聞を広めようとして、また処罰される吉田松陰。死刑になってしまいますが、彼の見聞とそれに基づく教育は、日本を救います。戦場カメラマンの方々にも、同じような人がいるかもしれません。彼らの持ち帰る映像は、世界を助けるかもしれません。

 彼らの考え、使命感は、彼らにとって、自分の命よりも重要なのだと思います。そのような考えを他人がどうこうすべきかどうか、分かりません。


 憲法理論では、思想・良心・宗教、表現などの自由は、精神的自由とされ、他の自由よりも尊重すべきだとされています。自分の命よりも大切なもの、何かを自分の命より大切と思うことを、安易に思い込みと規制することには、慎重にならなければいけないと思いました。